ホンオフェ

ホンオフェ

ホンオフェは、「世界で二番目に臭い食べ物」「世界で一番臭い刺身」と言われている韓国料理のひとつです。ガンギエイの刺身、または切り身を壺などに入れて発酵を促進させたもので、その匂いは「キャンプ場のトイレ」「おしっこそのもの」などと表現されています。ホンオフェを口の中に入れっぱなしにしていると、炎症を起こす危険性もあるのだとか。それはもはや食べ物ではないのでは?と言いたくなりますが、韓国では高級食材なのだそうです。

ホンオフェとは

ホンオフェは、エイの肉を壺などに入れて冷暗所に置き、10日ほど発酵させた韓国のお刺身です。韓国語で「ホンオ」はエイを、「フェ」は刺身を意味しています。壺で発酵させたエイは、エイの持つ尿素などが加水分解されてアンモニアが発生し、ホンオフェが出来上がります。韓国全羅南道の港町である木浦地域の郷土料理です。プサンやソウルなどでも食べることができますが、全羅南道以外で供されるもののの多くは発酵させていないエイの切り身であり、身に軟骨がついていてコリコリした食感を楽しむもので、味はさっぱりしたものが多いそうです。全羅南道木浦の本場のものは凄まじいアンモニア臭がし、涙を流しながら食べるのだとか。口に入れた後にマッコリで流し込むのが通の楽しみ方とされています。マッコリはタクチュ(濁酒)ともいい、熟成させたホンオフェとマッコリの相性がいいため、一緒に食べることをホンタク(洪濁)と呼ぶようになりました。また、ホンオフェと豚肉、キムチを一緒に包んで食べることをサマプ(三合)と言います。ホンオフェは長く口の中に入れておくとアンモニアによって口内の粘膜がただれてしまうこともあるので注意が必要です。発酵させればさせるほど身が柔らかくなり、美味であるとされています。なお、そのアンモニア臭から外国人や初心者には敬遠されますが、韓国では高級食品のひとつであり、朝鮮半島南部のホンオフェの本場では結婚式など冠婚葬祭に欠かせないごちそうです。しかし、日本人でも納豆が嫌いな人がいるように、韓国人でもホンオフェが嫌いな人も多く、そういった人たちが裸足で逃げ出すほどの威力を持っているそうです。

製造方法

ホンオフェは葬儀や結婚式などの人が集まる祭事で振る舞われることが多い料理です。一度に沢山作らなくてはならないため、ホンオフェの発酵を促進するために堆肥を利用する仕込みが考案されました。伝統的な方法では、エイの切り身を入れた瓶をワラや松の葉を発酵させた堆肥の上に置きます。そうすると堆肥の発酵熱によりエイの発酵が進むのだそうです。ホンオの特産地であるフクサンド(黒山島)の販売業者は、発酵のさせ方を以下のように説明しています。まず、瓶の底に4個程度の石を平たく敷きます。その石の上にワラや松葉を3㎝程度敷きます。ガンギエイの表面にあるつるつるした液体が溜まった「コブ」を残した状態で切り、そのエイの切り身を密着させないよう、まばらに散らして藁の上に置きます。このコブには発酵バクテリアが多く含まれていて、これを残すことでホンオフェ独特の味付けになるのだそうです。切り身の上にさらに藁や松葉をかぶせるように敷きます。これをなどか繰り返し、藁の層、切り身の層を交互に積み重ねて行きます。何回か繰り返したら、ビンの口にビニールをかぶせ、輪ゴムで止めてしっかり密閉します。そのまま発酵させます。暖かい日は日影で2~3日程度。寒い日は7日程度が目安です。気温や日照具合によって適度に調節してください。毎日定期的に匂いを確認し、良きところで取り出します。冷蔵庫で保管すれば長期保存も可能だそうです。

ホンオフェを食べた人たちの反応

近年日本で製作されるバラエティ番組などで「臭い食品」を取り扱う際、シュールストレミングにも匹敵するアジアの臭い食品としてしばしば紹介されることがあります。日本テレビ制作のバラエティ番組「ワールド☆レコーズ」の2004年7月4日放送分では、取材陣がホンオフェの本場・木浦に赴き、宴席でふるまわれたホンオフェを喜んで口に入れた現地の男性が、涙を流しながら食べている様子を描写し、「食べた人にしかわからない爽快な刺激があるのだというが」と説明しています。同番組の司会者である内村光良は、隔離されたブースで臭いを嗅ぐなり「ションベンだよ、ションベン」と話し、口には入れたものの飲み込むことが出来ませんでした。韓国人の夫を持つ作家の岩井志麻子はMXテレビ制作の報道番組「5時に夢中」で「ホンタクだったか、これがもろにおしっこの臭いなのね。これ食べた夫とだけはチュウはできない。愛を試されますね」と評しています。ホンオフェの強烈な臭いは世界有数、アジア最大とされており、口に入れた状態で深呼吸すると失神寸前になるとも言われています。また、臭いの強さは納豆の14倍にも相当するのだとか。ホンオフェを食べた後に電車に乗ると、全身の毛穴からアンモニア臭が漂うため、周りの人から白い目で見られるという報告もあるほどです。

日本でも食べられます!

話を聞いているだけでかなり強烈な事がわかるホンオフェですが、日本にある韓国料理店でも取り扱っているところがあります。「キャンプ場のトイレの臭い」とも称される食品を、飲食店で扱っても大丈夫なのかと疑問に思いますが、意外にもホンオフェは近くに寄らない限り臭いがしないのだそうです。普通のお刺身と遜色ない見た目で、鼻先20㎝までは特に臭いもしないようなのですが、口に入れた瞬間に舌がビリビリして強烈なアンモニア臭がするのだとか。曰く「キャンプ場のトイレに例えるのは、キャンプ場のトイレに失礼」なレベルだそうです。噛みきろうとしてもエイの固い繊維が邪魔して噛みきれないので、マッコリで流し込むしか方法はありません。ですが、確かにホンオフェを食べてからマッコリを飲むと、マッコリがとても美味しく感じるのだとか。興味がある方は是非チャレンジしてみてくださいね!