臭豆腐

臭豆腐

名前に「臭」という漢字が付く食べ物があります。台湾や中国、香港などで食べられている「臭豆腐」です。その臭さはストレートに「うんち」の臭いと言われています。食べ物からうんち臭がするってどういうことなのでしょうか。ちょっと信じられません。この臭豆腐ですが意外にもファンは多く、日本でも瓶詰や真空パックの状態で購入することが出来ます。中華街の雑貨屋さんや輸入食品を扱う大きなスーパーなどに行ってみるといいと思います。

臭豆腐とは

臭豆腐は台湾、中国、香港などで食べられている豆腐の加工食品です。主に軽食として屋台で売られていますが、レストランで提供される場合もあります。台湾や香港で市販されているものは、植物の汁と石灰などを混合し、納豆菌と酪酸菌によって発酵させたつけ汁に豆腐を一晩程度漬けこんで作られます。元は野菜などと一緒に1週間ほど漬け込むことで作っていたのですが、発酵の制御が難しいため、今はほとんど行われています。豆腐自体の発酵はほとんどしていないのですが、豆腐表面の植物性たんぱく質が、つけ汁の作用で一部アミノ酸に変化し、独特の風味と強烈な臭いを発するようになります。台湾、中国、香港などの地域では広く食べられていますが、人によって好みが分かれる食品であり、地元民であっても食べられない人もいるようです。元来臭豆腐は湖南省の風土食だったのですが、近世中国各地に伝播しました。台湾には戦後に外省人が持ち込んだそうです。ただ、豆腐を乾燥保存する過程で発酵を伴う食品などは中華文化の影響を受けた諸地域に広く見られるため、臭豆腐はこの系統の食品と考えられています。なお、豆腐の腐は古い時代の「集める」という意味によりつけられたもので、豆腐自体が発酵食品であったというのは俗説に過ぎません。

臭豆腐の歴史

臭豆腐は清の時代(1644~1911)に、中国大陸安徽省の王致和が偶然発見したのが始まりだといわれています。彼は試験を受けるために北京へ向かったのですが、試験に落ちてしまい、そのまま北京に残って豆腐屋を経営していました。ある日、商売で豆腐が沢山余ってしまったことから、それらの豆腐を小さく切って塩をまぶして干し、豆腐乳にして保存しようとしました。しかし数日後、豆腐が青色に変色してしまったのです。これを食べてみたところ、その風味や食感が独特で美味しかったそうです。このように臭豆腐は偶然の産物だったのですね。その後臭豆腐は宮廷にも献上されるようになり、その独特な臭いと味が慈禧皇后のお気に入りとなり、「御青方」の名を賜るまでになったのだそうです。

地域ごとの特徴

臭豆腐は地域によって、使用する漬け汁や製作方法が違うため、形や食べ方も大きく異なっています。台湾と華南では油で揚げて豆板醤のタレをつけて食べます。湖南省長沙の漬け汁は真っ黒で、白い豆腐が黒く変色します。このタイプの臭豆腐も揚げて激辛のタレをかけて食べることがほとんどです。長沙では、ホテルのレストランでも食べられることが多いです。他には麻婆豆腐にしたり、ほかの食材と煮込んだり、臭豆腐をつぶして野菜のみじん切りや調味料を加え、蒸すまたは挙げて成型したものを出すレストランもあります。屋台では臭豆腐を串焼きにして提供する店もあります。北京や東北地方には、塩分の高い汁に比較的長時間漬けた臭豆腐があります。腐乳に似た味で、中華粥などのおかずとして食べられています。臭豆腐は調理する際に臭いが周囲に広がるため、香港では路面店の出店には行政の許可が必要なのだそうです。

臭豆腐の食べてみよう!

臭豆腐は前述の通り、調理中に強烈な「うんち臭」がするのが特徴です。台湾の屋台が並ぶ街並みを歩いたことがある方は、あの匂いを嗅いだ経験があるのではないでしょうか。ちょっとそのまま食べるのには抵抗がある臭いですが、揚げたり炒めたりすると不思議なほどに臭いが軽減されるので、とても食べやすくなります。臭い食べ物を数値化されたものを見ても、臭豆腐は納豆と同じくらいの臭いです。ですので納豆が大丈夫な方であれば割とすんなりと食べられると思います。お勧めは屋台で食べる揚げたての臭豆腐です。外側がカリッと香ばしく、中はふんわりしていて甘辛いタレにとても良く合います。ただ噛んでいるとやはり口の中にどくどくの臭いが広がるので、苦手な人は近寄るのもいやというくらいダメになるものだと思います。豆腐本来の旨みが味わえるとのことですが、私はふつうの冷奴でいいかな、と感じました。揚げ臭豆腐にはドイツのザワークラウトのようなキャベツの酢漬けが添えられていることが多いのですが、このキャベツ漬けが臭豆腐の臭みをさらにやわらげてくれます。この臭豆腐の臭みを「くさい」と取るか「いい香り」と取るかは人それぞれです。チャレンジしてみたいという方は、しっかり濃い目に味付けられた臭豆腐を試してみてください。